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めっき後、500で3h、窒素雰囲気中で拡散処理を施し、めっき界面に前揚図1のような相互拡散層を生成させるとともに、FeとAlの熱膨張率の違いからFeまたはFe-Cr合金めっき面に亀甲上のき裂を発生させ、き裂幅を3m前後に拡張させたものについて上述と同様な条件で潤滑すべり摩耗を行い、油膜の耐久性、すなわち低摩擦、耐磨耗性に優れた状態を維持するためのき裂の効果を調べてみました。
まず、硬質Feめっきを施したものの摩擦、摩耗特性をみると、速度2.00m/s以下の低速域では距離50,000mまでの摩擦係数の 平均値は0.05〜0.10の範囲にあり、0.20を越す現象はみられませんでした。しかし、これよりも高速側では、速度が高くなるほど摩擦係数が0.20を越しやすくなり、瞬間的ではありますが、0.35〜0.50に達することがあります。

次に上述と同様な条件で拡散処理を施したFe-8%Cr合金めっき層の場合、図5にみられるように速度2.50/s以下では距離50,000mまでの間に摩擦係数が0.20を越すことはなく、おおむね0.05付近に安定した状態が保たれています。しかしこれよりも高速側では瞬間的に0.25前後の摩擦係数が現れるようになります。すなわち、速度3.00m/sの場合、距離46,000mまでは摩擦係数が0.03〜0.04に安定しているが、47,000mのわずか1000mの間に摩擦係数は約0.27の高い値が現れるようになります。この傾向は速度4.00m/sのときにも認められる現象です。

試験片:

回転、A5052にFe-8%Cr合金めっき(20m)→500・3h拡散処理
固定、S45C.HQT、(ソルバイト組織)

摩擦条件:

p.2kgf/cm2(0.196MPa)、供試油、7.5W30SE.実験前開始直前1回油塗布


図5:回転試験片の摩擦面に供試油を1回塗布した状況の下での耐久性と摩擦速度の関係

この結果を前項のめっきしたままのものと比較すると明らかにき裂幅を拡げることは保油量を増すことになり、潤滑効果を向上させることが認められました。

 

つぎにこの実験で得たFe-8%Cr合金めっき層、および相手材となるS45Cの摩耗特性について述べます。図6はその結果を示したもので、図中実線がFe-8%Cr合金めっき層、点線はS45Cの摩耗特性曲線を現しています。

試験片:

回転、A5052にFe-8%Cr合金めっき(20m)→500・3h拡散処理
固定、S45C.HQT、(ソルバイト組織)

摩擦条件:

p.2kgf/cm2(0.196MPa)、供試油、7.5W30SE.実験前開始直前1回油塗布


図6:回転試験片の摩擦面に供試油を1回塗布した状況の下で得られたすべり摩耗特性

これによると、摩擦速度2.00m/sより低速状態で、距離50,000mまでの摩耗係数が0.20以下に維持されたものは比摩耗量がおおよそ5x10-10mm3/kgf・mmにほぼ安定しています。これに対して摩擦係数が距離50,000mに達する以前に0.20を超えた速度3.00および4.00m/sのものは摩擦速度が高くなることにともなって比摩耗量の増加傾向が見られるようになります。

次に相手材でありますS45Cの固定試験片の摩耗は速度0.50m/sのときに約5.7x10-11/kgf・mmできわめて損耗の少ない状態が得られ、逆に0.70m/sにおいて約8.3では速度が高くなるに伴って比摩耗量は漸増傾向を呈し、速度2.00m/sまでは2〜3x10-10mm3/kgf・mmですが、更に高速の3.00〜4.00m/sでは約2x10-9mm3/kgf・mmで明らかに比摩耗量ならびにそのばらつきが大きくなります。

 

7.浸硫窒化処理しためっき層の摩擦・摩耗特性

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