mukudoriのさえずり:2000年【Home】



 

{2000/12/27}[ロマン派]ベートーヴェンの初期は、古典派に属するといわれます。確かに、交響曲第1番はモーツァルトの作風を思わせる形式的で軽快なものです。しかし、1798年に創られたピアノソナタハ短調作品13《悲愴》では既に、古典派ソナタ様式に新たな要素を加えていたことも事実で、ロマン派の香りが漂い始めているのです。一般的に19世紀をロマン派と言ってますが、ベートーヴェンの中期から後期にかけてはロマン派の列に加えることができます。よくベートーヴェンは何派の人かと聞かれることがありますが、便宜上古典派というよりもロマン派といった方が良いでしょう。21世紀は一体何派の時代になるのでしょうか?【Home】

{2000/12/20}[結婚式]おめでたいお話で、12月23日(土)“友引”の日に、私のごく身近な人の結婚式が挙げられます。洋式の結婚式には音楽が付きものです。宗派や国によって違いが有るかもしれませんが、お決まりのパターンが有るようです。新婦の入場行進には、ワーグナー作曲『「ローエングリン」の祝婚行進曲』、続いて312番『祈祷』の讃美歌が歌われます。聖書・式辞・誓約を経て、指輪の交換の時に428番や429番『結婚式』の讃美歌が歌われ、祝福の祈り・宣言・説教などの儀式を経て、430番『結婚式』の讃美歌や351番『ふたりが合いて』(「イエスも婚礼に招かれたもう」ヨハネ2・2)の聖歌が歌われます。最後にメンデルスゾーン作曲『組曲「真夏の夜の夢」No.9劇中第五幕始まりの結婚行進曲』で新郎新婦の退場となるわけです。聴けばこれは何を意味するかということが一義的に決まるように、音楽が生活の一部となっているのですね。【Home】

{2000/12/13}[協和]低い音ほど可聴領域の倍音をたくさん含むことになります。しかも倍音の比率が簡単なものほど協和しやすい性質を持っています。特に1,2,4,8倍音(ハ長調の“ド”)はオクターブ違いなので当然協和しますし、長3和音(完全3和音)の中の主3和音である4,5,6倍音(ハ長調の“ド,ミ,ソ”)もよく協和します。残る7,9倍音(ハ長調の“変ロ,ニ”)は協和しません。ピアノの中音域以下の弦では、ハンマーの位置が弦の長さの1/7または1/9を打つように作られているそうです。この方が響きが良いことを経験的に知っていたんですね。これも不協和音を生じさせにくくする工夫であり、理論的にも立派に証明できるわけです。倍音の無い音は味気ないもので、適度の倍音は必要不可欠と言って良いでしょう。ただし、どれだけの倍音が必要か、或いはどんな和音が協和するかは、時代や文化や聴く人の心理状態によっても違うかもしれませんね。あなたと協和する人は違う性格の人でしょうか?【Home】

{2000/12/06}[世紀末の第九]いよいよ世紀末の師走に突入しました。那須野が原ハーモニーホールの合唱団育成講座とオーケストラ養成講座のメンバーによるベートヴェンの交響曲第9番ニ短調「合唱付」作品125《フロイデ》を12月10日(日)14:00開演で予定しています。指揮はプラハ生まれのアントニン・キューネルさん、ソプラノは大貫裕子さん、アルトは城守香さん、テノールは志田雄哲さん、バリトンは長慶太さんの若手ソリストです。特に大貫さん、城守さん、長さんは栃木県主催のコンセールマロニエ21の入賞者です。1824年2月の中旬に完成したこの曲は、1815年の第2楽章の主題のスケッチ、1818年の第1楽章着手に起源をさかのぼり、本格的に作曲作業を始めたのは1823年からのようです。初演はケルントナートーア劇場で1824年5月7日(金)夜7時より行われ、心に描いた理想を着々と実現してきた54才のベートーヴェンが人類愛と壮大な宇宙を描いたこの作品に満員の熱狂的な聴衆による喝采のアンコールが4度もあったそうです。悩みと苦痛の中に在った第3期の自然愛の境地を超越したのでしょうか?【Home】

{2000/11/29}[管の振動]管楽器には開管式と閉管式があります。管の中の空気が振動しているため、木でも金属でもガラスでも管の材質によって音の高さは変わりませんが、音色には影響が出ます。開管式では音振動の腹が両方の開口部にきますから、2の倍音となります。閉管式では開口部に腹がきて閉口部に節がきますから、3の倍音になります。リード無しでは開管式としてピッコロ、フルートがあります。シングルリードの開管式としてサキソフォンがあり、閉管式としてクラリネットがあります。ダブルリードの開管式としてオーボエ・ファゴットがあります。唇の振動を利用した開管式としてホルン・トランペット・トロンボーン・チューバなどの金管群があります。こうやってみてみますと閉管式の音振動(こもったような柔らかい音)という特徴を持つものは実用的な楽器としてはクラリネットくらいになってしまいます。また、1オクタ−ブ低い楽器を作るには振動数を半分にする必要があります。つまり、波長が2倍になり、2倍の長さの管路が必要になってしまいます。バセットホルンは原理的にはクラリネットですが音域はホルンを実現した画期的なものだったかもしれませんね。【Home】

{2000/11/22}[ドレミ]鍵盤上の白鍵にあたる幹音は自然音ともいい、日本名はハニホヘトイロ、ドイツ名はC(ツェー)D(デー)E(エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー)H(ハー)、イタリア名はドレミファソラシなどと呼びます。12世紀頃、四線譜を確立したといわれるギイド・ダレッツォは聖歌の最初の文字から音階の音名を付けたそうです。Utqueant_laxis,Resonare_fibris,Mira_gestorum,Famuli_tuorum,Solve_polluti,Labii_reatum,Sancte_joaunes がいわゆるドレミの呼び名の起源になっています。第7番目がSiと呼ばれるようになったのは17世紀に入ってからだそうです。ただし、一つだけ気を付けなければならないことがあります。日本でよく使われるドレミは音階に付けられた階名を指すことがよくあり、この場合は主音の位置によって音高が移動する相対的なドレミ、つまり移動ドを意味します。あなたは普段どちらのドレミを使ってますか?【Home】

{2000/11/15}[オルケストラ]古代ギリシャでは、劇場に相当するオデイオン(オーデトリウム)が既に造られ、大勢の聴衆の前で竪琴のような撥弦楽器のキタラ、複数の管でできた縦笛のアウロスの独奏や合奏などが競技会の形で催されていたそうです。高給取りの音楽家は雛壇に登ることが許されたそうです。また、高く評価された演奏者は木製の高座に登って演奏したそうです。この高座は音響効果を高める作用もあったそうです。まるで、チェリストがよく使う台座のようですね。ローマ帝国時代では現存する最古の屋根付き劇場があり、ポンペイにある劇場には、半円形に舞台を取り巻く1500席の座席があり、当時の全市民を収容できる広さだったそうです。貴賓席の下に半円形に空けられた合唱席がありました。この合唱席を『オルケストラ』と呼び、『オーケストラ』の語源となっているそうです。現在見られる舞台と客席が分離した形のコンサートホールの原形が紀元前80年頃には既にできていたのですね。【Home】

{2000/11/08}[折り込まれた深い意味]短歌では、三十一文字(みそひともじ)の中に色んな決まりがあります。ちょっと洒落たお遊び的な要素もあります。例えば、同韻の字を句脚に用いることを韻を踏むといいます。同音異義を利用して、一語に二つ以上の意味を持たせたものを掛詞(かけことば)といいます。特定の語の上にかかって修飾または口調を整えるのに用いることばを枕詞(まくらことば)といいます。枕詞には「あしひきの」「ひさかたの」「しらぬひ」「たらちねの」などがあります。各句の上に物名などを一字ずつ置いたものを折り句(おりく)といいます。『伊勢物語』で有名なものとして「かきつばた」を「から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞおもふ」と折り込んであります。上から読んでも下から読んでも同音のものを回文(かいぶん)といいます。音楽でもこの様な洒落た遊び心が曲に折り込まれているものが沢山あります。例えば、バッハの『フーガの技法』です。4曲の単純フーガ、3曲の反行フーガ、4曲の多主題フーガ、2曲の鏡像フーガ、1曲の未完4重フーガのほかカノンも含め18曲が同一の基本主題に基づいているそうです。しかも、最後のフーガの239小節で絶筆となった訳ですが、“BACH”の名が対位主題に持ち込まれたところで作曲者が亡くなっていることでも知られています。作曲時の背景や環境をひも解けば、作曲者の隠された意図が新たに見つかるかも知れませんね。【Home】

{2000/11/01}[音の伝わり方]ロープの揺れのように伝わる方向と揺れの方向が直角な波を横波と言い、コイルバネのように伝わる方向と揺れの方向が同じ波を縦波と言います。音波はコイルバネと同じ縦波で、疎密波とも呼ばれます。音速は波長と振動数の積で現わされ、音速と伝わる物質の密度の積を音響インピーダンスと呼んでいます。密度の異なるものの境界では、光と同じように反射や屈折が起き、また物質中では減衰や散乱が起きます。人間の可聴領域は約20〜20,000[Hz]の周波数の範囲を言い、これより高い音を超音波(Ultrasonic)、低い音を超低音(Infrasonic)と呼ぶそうです。産婦人科で胎児の発育状況を診断する装置に超音波が応用されているそうです。その時の音の伝わり方は下の表のように固いものほど速く伝わり、水は減衰しにくく、音響インピーダンスの差が大きいところでは殆どの音が反射するという特徴があるそうです。

  音速[m/s] 1MHzの減衰係数[dB/cm] 音響インピーダンス*10^6[kg/m^2・s]
空気 330 12 0.0004
1,480 0.002 1.52
頭蓋骨 4,080 13 7.80

ヴァイオリンの方はあごから直接伝わる音と共鳴箱から出て空気を伝わる音の両方を聴いていることになります。ヴァイオリン同士でお互いに相手が遅く感じられるとしたら実はこの差だったりするかも知れませんね。【Home】

{2000/10/25}[大バッハ没後250年]1750年に没した大バッハつまりヨハン・セバスティアン・バッハが今年没後250年を迎え、それを記念して各地で色んなイヴェントが催されていると思います。モーツァルト合奏団でも11月19日(日)14:00から西那須野町町民ホールで、産業文化祭の音楽祭に参加して、バッハ特集を企画しています。予定している曲目は@「狩のカンタータ」よりアリア「羊らは安けく草はむ」BWV208、A管弦楽組曲第3番より「ガヴォット」BWV1068、Bチェンバロ協奏曲第5番へ短調第2楽章BWV1056(元曲は教会カンタータ「わが片足は墓にありて」より「アリオーソ」BWV156、或いは鈴木メソッドのチェロ指導曲集第4巻にある曲といったほうが分かる方もいらっしゃるかも知れません)、Cフーガ  ト短調「小フーガ」BWV578の4曲です。全て弦楽アンサンブルの形で楽しんで頂く予定です。美食家で大食家だったバッハは糖尿病や高血圧の末、脳卒中の発作で「フーガの技法」が中断されたり、白内障に悩まされたらしいそうです。それでも当時としては65歳という長寿を全うし、多くの作品と共に20人の子供を持ったことでも知られています。【Home】

{2000/10/18}[ジャンルを超えて普遍的な感動]10月17日(火)に那須野が原ハーモニーホールで、モスクワ・ユーゴザーパド劇場の日本公演を観る機会を得ました。これは、9月17日(日)から10月24日(火)の間国内で37回にも及ぶ公演の一環として催されているものです。今回は3つのプログラムのうち、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』が演じられました。演劇では“ロミオ”と言い、クラシック音楽では“ロメオ”と呼んでるんですね。ロシアの方たちの言葉で聴いていると“ロメオ”と聞こえてくるようでした。1977年モスクワ南西部でアマチュアの若者が集まって演劇サークルを作ったのが始まりだそうです。舞台は至ってシンプルで、後方にパイプのアーチが並ぶだけです。暗闇の決闘をする場面では火花を表現したフラッシュが効果的に使われいました。照明を旨く利用して、場面の切り替えやシルエットの映し出しをして、随所に工夫が施されていました。25名の役者が小気味良いテンポで入れ替わり立ち替わり迫力ある舞台を作り上げていました。その動きと台詞の表現力の豊かさには感心の連続でした。やはり質の高いものに触れた時の感動はジャンルを超えて普遍的なものなんですね。【Home】

{2000/10/11}[心で歌うお手伝い]一年前チェルノブイリから20才のナターシャというという一人の女性が来日し、歌の勉強をしているそうす。そして、加藤登紀子さんの指導を受けているそうです。自らも被曝者であり、また被曝した子供たちのためにも、立派な歌手になろうと一所懸命に日本語を覚え、日本の歌を勉強していました。その時、加藤さんがこう言ったのです。「あまり、頑張り過ぎないで。お客さんは、あなたのことを見て、聴いて、お客さん自身の心で歌っている。それをそっと手伝ってあげればいいのよ。あと1年あるわ。あなたならできる。」優しい中に頼れる強さを感じる励ましのことばでした。とかく派手に惹きつける曲芸的な演奏や超絶技巧を駆使した演奏とはまるで反対の優しい世界に触れたような気がしました。私たちが音楽を鑑賞するときに、記憶にある音楽を引き出してきて、「あなたの知っている曲想はこうだったでしょう」とか「あなたの知っている曲想とはここがちょっと違うでしょう」と語り掛けるように演奏する考え方もあるのですね。ちょっとした驚きでした。【Home】

{2000/10/04}[幻のアルペジョーネ]9月30日(土)に那須野が原ハーモニーホールで第16回レクチャーコンサートが催されました。今回は“ヴィオラの魅力”というテーマで長谷川弥生さんが出演されました。ヴィオラは原理上、ヴァイオリンの1.5倍の胴体と弦の長さが求められますが、ヴァイオリンと同じ持ち方をするために、幅を広げたり胴体を大きく膨らませるなどの工夫がされているそうです。演奏曲目はシューベルト(1797〜1828)が作曲したアルペジョーネ・ソナタイ短調、シューマン(1810〜1856)作曲のヴィオラオリジナルの『おとぎの絵本』作品113、安良岡章夫の無伴奏ヴィオラのための「オフランド」です。勿論アルペジョーネ・ソナタは、アルペジョーネの為に創られた曲です。然し、アルペジョーネはまもなくすたれてしまった為、一般にチェロ・ソナタとして取扱われることが多いのです。健康状態がかなり悪化していたシューベルトは、1824年5月からハンガリーの貴族エステルハーツィ一家と共に2度目のツェレス訪問の際、美しい令嬢たちに音楽を教えながら、10月まで楽しい日々を過ごし、ウィーンに戻ってこの曲を創りました。エステルハーツィの18歳の娘カロリーナがシューベルトの心を和ませ、ツェレスの自然とあいまって心身ともに回復し、楽しい思い出を描いたものかも知れません。曲はハンガリーの民族的な趣とシューベルトの豊かな旋律性が溶け合った、独特の雰囲気を持っていて、音域的には高いアルペジョーネのためにかかれている為、チェロで演奏するには高度な技術が求められます。そのため、名曲でありながら、実際に演奏される機会は案外少ないのです。アルペジョーネは1823年にウィーンのヨハン・ゲオルグ・シュタウファーによって考案され、ギター・チェロ(Guitar Violoncello)やギタール・ダムールなどとも呼ばれ、ヴィオラ・ダ・ガンバに似て、24個のフレットを持ち、弓で演奏するという何とも中途半端な楽器です。E・A・D・G・H・Eに調弦されます。【Home】

{2000/09/27}[ヴァイオリンの音色の正体]弦は長いほど、細いほど、そして張力が小さいほど低い音になるというのが高校の物理で出てきましたね。これを組み合わせるとハープやグランド・ピアノの形となるのです。又、入射波と固定端での反射波の合成波が、定常波を作り固定波となります。振動する波の膨れた部分を腹(はら)、括れた部分を節(ふし)といいます。基本振動の場合は、両固定端が節で1つの腹を持ち、弦の2倍が波長となります。腹が2つあるものを2倍振動、3つあるものを3倍振動といいます。波長の逆数を振動数と呼んでいます。実際の楽器では、色んな周波数を含んでいて、その様子をスペクトラム・アナライザ(略称スペアナ)で観察できます。ギターやハープですと、基本振動から8倍振動当たりまで、徐々に順次強度を下げながら分布しているのに比べ、ヴァイオリンの場合は多くの倍振動が複雑に分布しているのです。20〜30倍振動まで高い強度の成分を含んでいます。オシロスコープで見ても実に複雑な波形をしており、この多くの周波数成分がヴァイオリンの音色の正体だったんですね。同じ波長でも奇麗なサイン・カーブの電子音の無味乾燥な音と異なり、ヴァイオリンの音は飽きが来ない味わい深い音がするんですね。【Home】

{2000/09/20}[雷様のお導き]9月20日は『空の日』だそうですね。地球の何処かで1秒間に100個もの落雷が発生しているそうです。栃木県は全国でも有数の雷県で『雷様(らいさま)』という愛称で呼ばれています。宇都宮大学の雷研究は地の利を生かし、世界的にも有名だそうです。今年はなんだか雷が随分多くて、研究には絶好の年だったかも知れません。貴重なデータを一瞬に駄目にして打撃を受けた方も多いかも知れません。以前にヴィヴァルディの『四季』の『春』で雷鳴が轟く所を練習している時に偶然にも稲妻の閃光で辺りが輝き、ほぼ同時にごう音が一撃したのです。然し、誰一人として物ともせず演奏を続けたのです。「私達の演奏が雷を呼んじゃったかな?」と言ったら爆笑を誘ってしまいました。それから、落雷と言えば停電ですね。長時間にわたる停電が多いのも今年の特徴かも知れません。フロイデの練習中、終楽章の冒頭で停電し、チェロ・バスのRecitativoの後『歓喜の歌』で有名なメロディーをチェロ・バス、ヴィオラ・チェロ、ヴァイオリンへと引き継いでいく所まで真っ暗な状態で誰も止めようとしないのです。アンサンブルとは何かをこの時ちょっとだけ垣間見たような気がしました。雷様のお導きで貴重な体験をしました。【Home】

{2000/09/13}[愛の音楽教育]有楽町マリオン新館5Fの丸の内プラゼールで『ミュージック・オブ・ハート』(Music_of_the_Heart)を観て、とても心を打たれました。ハワイのスズキ・メソードの教室で深い感銘を受け、ギリシャで買った50挺のヴァイオリンを持ってニューヨークのイースト・ハーレムの小学校に乗り込んだヴァイオリン教師の実話を基にした映画です。「難しいからって、やめてはダメ」「練習すれば完ぺきに弾けるわ」「いつもどおりに弾けばいいのよ。あなたたちは素晴らしい演奏ができるんだから」胸に手を当てて「ここで弾くの」…と課外授業の子供たちに音楽を教えていく物語です。市の予算カットによるヴァイオリン・クラスの打ち切りに真っ正面から闘い、友人の写真家の夫でガルネリ弦楽四重奏団のアーノルド・スタインハート、その友人のイツァーク・パールマン、アイザック・スターンの理解と協力により、チャイコフスキーの指揮でこけら落としをした音楽の殿堂カーネギー・ホールでの演奏会が実現しました。しかもこれらの名手達がこの映画に出演し、バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調を子供たちと一緒に演奏するのです。スターンも言っていますが、5、6歳頃までに何らかの音楽教育を受け始めた子供は、記憶力、ロジック、数学に優れ、マナーに関しても同学年の子供より抜きんでているそうです。このヴァイオリン教師の純粋でひたむきな愛と称すべき音楽教育に拍手の前に涙が込み上げてきました。音楽好きのあなたには必見の映画です。【Home】

{2000/09/06}[伯爵の影響]ベートーヴェン(1770〜1827)のパトロンだったルドルフ大公(ピアノトリオで有名な『大公』)の侍従長をしていたトロイヤー伯爵がシューベルト(1797〜1828)に作曲を依頼しています。依頼内容は「ベートーヴェンの七重奏曲変ホ長調Op.20と同じような曲」という条件だったそうです。伯爵は自らもクラリネット演奏する方だったそうです。ベートーヴェンの七重奏曲はクラリネット・ファゴット・ホルン・ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスという一風変わった編成です。そこで、シューベルトは更にヴァイオリンを1本加えて八重奏曲にしました。これが、1824年に作曲されたシューベルトの八重奏曲へ長調D.803です。この2曲の6つの楽章構成を比べてみましょう。
ベートーヴェン/シューベルトの順に並べてみます。
第1楽章 Adagio−Allegro_con_brio/Adagio−Allegro
第2楽章 Adagio_cantabile/Adagio
第3楽章 Tempo_di_Menuetto(Trio)/Allegro_molto_e_vivace(Scherzo)
第4楽章 Andante(Variazioni)/Andante(Variazioni)
第5楽章 Allegro_molto_e_vivace(Scherzo)/Menuetto(Trio)
第6楽章 Andante_con_moto.Alla_marcia/Andante_molto−Allegro
本当にそっくりでしょう。強いて言えば違いはScherzoとMenuettoが入れ替わったていどでしょう。曲の出だしなども、一斉にアコードを高らかに鳴り響かせるところまでそっくりなんです。何れ劣らぬ魅力的な名曲です。しかも交響曲への足がかりともなるこの二つの曲は室内楽でありながら、言わば『マイクロ・シンフォニー』とも言うべき充実した聞きごたえのあるものです。ベートーヴェンはOp.38でクラリネット(またはヴァイオリン)・チェロ・ピアノのピアノトリオの形で編曲したものがありますが、ひょっとしたらクラリネット奏者のトロイヤー伯爵の影響が色濃く反映されているかもしれませんね。
更に、同時代のドイツのオペラ作曲家コンラーディン・クロイツァー(1780〜1849)もベートーヴェンを意識して創ったと思われる七重奏曲があります。これは楽器編成も調性も楽章構成もベートーヴェンの七重奏曲と同じなんです。この時代にはこの手の曲が流行ったのでしょうか?一つ共通して言えることは、喜遊曲(ディヴェルティメント)らしく、どの曲も楽しい曲です。【Home】

{2000/08/30}[メンバー募集]那須野が原ハーモニーホールのオーケストラ養成講座を自立したオーケストラにするために、仕組みや決まりを練り上げて来て数年、そろそろという所まで来てはいるのですが、やはり肝心の定着できる固定メンバー数が三十数名に留まっており、中規模の七十名程度のオーケストラを目指すには大きな壁となっています。名前も「那須フィルハーモニーオーケストラ」と決まりました。今年2000年には12月10日(日)に、フロイデ(ベートーヴェンの第9交響曲『合唱付』)、2001年3月11日(日)には発表会として、ブラームスの交響曲第4番やヤナーチェクの弦楽のための組曲などを予定しています。基本的には水曜日の19:00〜21:00が練習日です。なんと大ホールのステージで練習でき、会場費が無料と言うのが凄いですよね。練習会場に苦心されている首都圏の方から見れば、本当に果報者です。更に会費が月額500円という超破格値で、しかも豪華な講師陣とくれば、放って置く法は無いですよ。お気軽に是非ご参加下さい。メンバー一同熱烈歓迎致します。ちなみに、今日はフロイデの第1楽章と第2楽章と第3楽章を管と弦に別れて分奏の形で譜読みレベルの練習を行いました。次回の練習は、9月6日(水)19:00〜21:00にフロイデの第3楽章と第4楽章の分奏譜読み練習を行います。お知り合いの方にもお声をかけてみて下さい。何でしたら、那須地区へ居を移してこられても結構ですよ。最近首都圏への新幹線通学通勤族がうなぎ上りに増えている那須地区は、通勤定期が昨年に比べ倍増しているそうです。夢のマイホームが実現します。しかも、庭付き一戸建てマイカー付プレイルーム付で思いっきり練習もできます。【Home】

{2000/08/23}[少女のような気持ち]今日8月23日フジ子・ヘミングさんが『徹子の部屋』に出演されていました。ファーストCD『奇蹟のカンパネラ』が日本ゴールドディスク大賞、クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2000年上半期クラシックCD売り上げ第1位に輝き、今日3枚目のアルバム『憂愁のノクターン』が発売されましたので那須でも早速ゲットして楽しんでます。一年前に聴いた彼女が演奏するリストの『ラ・カンパネラ』に比べ、『徹子の部屋』での演奏は益々優しく可愛らしく感じられました。この魅力的な演奏は一体何処から生まれてくるのでしょうか?認められて人の前で弾くことなど二の次という、純粋で少女のような気持ちの持ち主である彼女は、とにかくピアノを弾くことが楽しくて、それを犬や猫達が聴いてくれたことが何よりも嬉しそうでした。いろんな事があると壁に向かって日本語でものを言っていたことで日本語を忘れずにいられたという話もありました。有珠山で取り残された動物達のために募金もされているそうです。きっとそんな彼女の人となりが音楽性を醸し出しているのでしょう。フジ子のページも装いも新たに開設されていますので是非ご覧ください。【Home】

{2000/08/16}[マイナスイオンでリラクゼーション効果]先日の※響アワーで、完全なる美の世界を求める美輪明宏さんの独自の世界の楽しいお話が繰り広げられていました。彼(彼女?)の話の中に運命と宿命の違いがありました。運命とは自分の力で切り開いていくものだそうです。ヴェルディの『運命の力』では、レオノーラとの間の誤解が元で、アルヴァーロによる事故からレオノーラの父親を失うことになってしまいました。レオノーラもアルヴァーロもお互いの思いを完全には忘れきれないまま、世を捨てた積もりになっていました。レオノーラの兄カルロにけしかけられ、切れてしまったアルヴァーロはカルロを手にかけてしまい、カルロは妹のレオノーラの命をも絶つと言うなんという運命の悪戯でしょうか。このような話は逸話ではなく、地域や宗教や時代を超え、何処にでも起きうる哀しい話です。フィトンチッド【露phytoncid】(樹木などが発散する、細菌などの微生物を抑制する作用をもつ化学物質)による森林浴により、心身共にリラックスして気を楽にする事をお勧めします。特に、自動車の排気ガスや工場の噴煙で、空気がプラスイオン化し、集中力が低下したり、イライラ等の症状を起こすことは良く知られているそうです。森林・滝壷等の大自然の空気はマイナスイオンが多く存在し、これが人の緊張を緩和するリラクゼーション効果、及び集中力を持続させて疲労軽減につながる効果があるそうです。(日温気物医誌第61巻3号1998年5月「空気中のマイナスイオンが脳波に与える影響」より)【Home】

{2000/08/09}[音で安心]皆さんご存知の強弱記号には、f(伊forte:フォルテ)とp(伊pianoピアノ)があります。勿論fは強く、pは弱くの意味です。これに付加語のmezzoを頭につけて意味を弱めるとmf(メゾ・フォルテ):やや強く、mp(メゾ・ピアノ):やや弱くという意味になります。逆に接尾語の〜issimoをお尻につけて意味を強めるff(フォルテシモ):ごく強く、pp(ピアニシモ):ごく弱くという意味になります。更に意味を強めるためにfff(フォルテシシモ)やppp(ピアニシシモ)と重ねていきます。チャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』ではもっと強める意味で、第3楽章の後半にffff、第4楽章の最後にppppと4つ重ねた形がでてきます。次に強さの変更を表わすのに、fp(フォルテ・ピアノ):強く直ぐに弱く、或いはpf(ピアノ・フォルテ)弱く直ぐに強く、もっと強調し徹底させるには、subito f(スビート・フォルテ):突然に強く、subito p(スビート・ピアノ):突然に弱くという言います。また、強さの比較を表わすのに、強い音の場合はmeno f(メノ・フォルテ):今までより弱く、piu f(ピゥ・フォルテ)今までより強く、弱い音の場合はmeno p(メノ・ピアノ):今までより強く、piu p(ピゥ・ピアノ)今までより弱くという言い方になり、ちょっとややこしくなりますのでmenoには要注意ですね。強さの度合いについては、演奏者の主観的な判断に任されたもので、相対的な性格を持っています。何故かfpを英語では loud followed by soft と言うそうです。曲想にも拠りますが、力強いけどうるさくないfや、柔らかいけど主張のあるpなどと、単なる強い・弱いだけでは表現しきれない奥深さがありますね。無響室での威圧感は物凄いものがあります。さざなみやせせらぎのように絶えず音を感じている方が心安らぐものなのでしょうか?【Home】

{2000/08/02}[立って演奏]1921年に創設されましたイギリスで最も古い室内オーケストラであるロンドン室内オーケストラによる1998年10月初来日時の弦楽合奏を先ほどClassic Clubで紹介されていました。このオーケストラは指揮者を置かず、立って演奏するスタイルが特徴的なのです。率いているウォレングリンさんのお話の中で、立って演奏する理由が紹介されていました。一言で言うと『音楽上の理由』だそうです。人の体が共鳴箱の役割をしているので、座ったままだと音があまり出ないそうです。体中を響かせる声楽の方は確かに立って歌ってますね。座って演奏すると動きも制限されてしまうそうです。同じパッセージを立ったまま演奏したのと座って演奏したのとを比べれば違いは歴然としいるそうです。立って演奏すると特に脚に負担がかかり大変だそうです。但し、チェロだけは座って演奏せざるを得ませんし、エンドピンで突っ張っている為、動きも制限があります。弦楽器群の中で最も自然な構えが出来るチェロが実は一番身動きのとれない窮屈な思いをしているとは皮肉なものですね。【Home】

{2000/07/26}[大きな音]S先生のファーストレッスンを受けました。ご指導の中から印象に残ったものとして、大きな音を出す時の注意点があげられます。大きな音を出そうとすると、つい弓の圧力が高くなりがちです。弓で弦を押さえつけてしまえば、弓を境に駒側が振動しなくなってしまい、指板側だけが振動することになります。すると潰れたような濁った音になって、かえって響き難く逆効果になり、寧ろ大きな音が出せなくなってしまいます。要するに大きな音を出す為には、弦全体が振動するように気を付ける必要があるということです。この違いを是非お試し下さい。但し、弾いていて自分では分かり難いかも知れませんので、広いところで誰かに聴いてもらうと分かり易いかもしれませんね。【Home】

{2000/07/19}[フェルマータ]臨時に拍の進行を停止させて、音符や休符を通常よりも長く維持する記号としてフェルマータがあります。イタリア語では停止・休止・停車場等を意味します。英語ではhold(維持) や pause(停止)を表します。また、pedal  pointを指すこともあります。休符はrest(休止)という意味ですから休符に付いたフェルマータは休符を休むということで言語明晰・意味不明となってしまいます。そこで休符を休むというよりも、休符を維持すると表現した方が通りはいいでしょう。滅多に見かけませんが、副縦線上に付けられたフェルマータは、曲の終わりを示します。では、音符や休符や和音をどの程度延ばせば良いでしょうか?よく2〜3倍程度に延ばして練習することがあります。然し、その長さは奏者や指揮者の判断に任されているといって良いでしょう。合奏の場合にフェルマータをどの程度延ばすかは非常に難しく、呼吸が合わないと次の音の出だしで揃わなくなってしまいます。指揮者やコンサート・マスターをよく見る必要がありますが、それよりも皆が同じ気持ちで弾けると自然と揃ってくるでしょう。【Home】

{2000/07/12}[弦楽合奏と四重奏]弦楽合奏で練習した曲を、試しに弦楽四重奏で弾いてみて驚いたことがあります。先ず、弦楽合奏に比べ他の3つのパートの動きが細かく掴めることです。更に突っ込んだ言い方をすれば表情から息遣いまでが手に取るように分かるのです。また、各パートの個性が明瞭に感じられるのです。それだけではありません。自分の音がどのように他の音と絡み溶け合おうとしているか、或いは逆に食い違っているかが見えてきます。そして、テンポ感からリズムの取り方、音量のバランス、音色や表現のニュアンスなどの協調の仕方がとても大切である事がストレートに伝わってきます。つまり、編成が小さいために神経が行き渡りやすく、小回りが利きます。弦楽合奏により複数で同じ音を出して皆が旨く調和していくことは、如何に周りの音を理解し、尊重し、相互に補完していくことが重要かということを意味していると考えられます。緻密なアンサンブルを追求するのにパート毎の統一性も求められますが、カルテットレベルでの噛み合わせのチェックも大変参考になります。【Home】

{2000/07/05}[大切な爪]一般的に鍵盤楽器や弦楽器を弾く場合は爪が伸びていると鍵盤或いは弦や指板に爪が当たり、うまく押さえられません。ギターのような撥弦楽器で爪弾く場合は寧ろ爪の手入れがとても大切になるそうです。若し、爪が無かったら色んな楽器での演奏技術は成り立たないでしょう。指の先端までは骨が通ってないため、弦や鍵盤を押さえる力を爪が担っているからです。爪は表皮が堅くなったもので、他の動物の鉤爪(かぎづめ)や蹄(ひづめ)と異なり、人の爪は薄く湾曲した扁爪(ひらづめ)といわれ、指の先端にかかる力を支えるのに適した独特の形状をしています。某チェリストは左手の小指で角砂糖を叩いて砕くと言いますから物凄い力が出せる訳ですね。弦楽器の場合、一般に弱い音ほど弦の押えを強くし奇麗な音を出すように指導されます。思わず右手の弓にまで力が入りそうになるのでうまくコントロールしなくてはなりませんね。【Home】

{2000/06/28}[客観的評価]6月24日(土)に西那須野町文化協会主催の舞台芸術部門のチャリティ発表会を町民ホールで催しました。約400名のお客さんがあり、おかげさまでとても盛況でした。少年少女合唱、筝曲、尺八、弦楽合奏、民謡、日本舞踊、詩吟、剣舞、モダンバレーとバラエティに富んだ演目で半日がかりでした。然も、出演者総数がなんと200名近くと言いますから、小さな町ならではの地域色豊かな皆で作るイヴェントでした。モーツァルト合奏団としては、13人の弦楽合奏を2曲聴いて頂きました。1曲目はモーツァルト17才の作品で6曲ある『ミラノ四重奏曲』の第5曲に当たる弦楽四重奏曲第6番変ロ長調KV159です。イタリア旅行の遺産ともいえる、華やかで優雅なカストラート(去勢ソプラノ歌手)の歌声が聞こえてきそうな美しい曲です。気品漂わせるディテールの表現には随分気を配った積もりでしたが、反省会で録音を聴いてみますと、意外に難しいと思っていなかった何でもないような所のぞんざいさが気になりました。普段の練習の中では、なかなか客観的に自分達の演奏を評価する事は難しいので、時には録音を採ったり離れた所でどのように聴こえるかを確認する必要があるという結論になりました。2曲目は、朝のテレビドラマで有名になった岩代太郎さんのあぐりの主題曲『素晴らしき日々へ』です。こちらの曲も聴衆の方の受けは良かったようです。【Home】

{2000/06/21}[武茂小音楽教室]6月17日(土)に馬頭(ばとう)町立武茂(むも)小学校でモーツァルト合奏団の音楽教室を催しました。茨城県に隣接する栃木県東部に位置するこの小学校の児童数は81名で、児童数の減少には過疎化に少子化が拍車をかけているようです。一時間程度の短い間でしたが、児童代表の方と校長先生の丁寧なご挨拶に始まり、小学校で教わるクラシックの名曲を中心としたプログラムの中に、楽器紹介として、ヴァイオリンによるベートヴェンのメヌエット ト長調、ヴィオラによるヘンデルのラルゴ(オンブラマイフ)、チェロによるサン=サーンスの白鳥を織り交ぜてみました。20名の親御さんも参観され、最後まで熱心に聴いて頂けてとても素晴らしい音楽教室になりました。プログラムの最後に、『みんなで歌おう』のコーナーを設け、先頃逝去されました中田喜直さんの『夏の思い出』と武茂小学校校歌を弦楽伴奏に合わせて一緒に歌って頂きました。自然豊かな環境を象徴するように、小人数ですがのびのある発声でしっかりとした音程を保った声で、情感溢れる澄み切ったハーモニーにはとても感嘆させられました。きっとご指導の先生方の心持ちが一人ひとりの児童に鳴り響いているのでしょう。ご参考までに、梅雨時の体育館での演奏には、高い湿度対策として見る見る緩んでくる弓は張り気味にし、元気な蚊には虫除けスプレーを準備し、舞台はできるだけ反響しやすい工夫を考えた方が宜しいようです。【Home】

{2000/06/14}[ラスト・レッスン]YH教授の一応最後のご指導を受けました。その中で、特に自分で弾いていて分かり難いけど、陥りやすいところとして、発音と減衰の問題があります。発音については、“ターン”と弾くところが“ティアーン”と、後押しするような感じになり易く、拍の頭からきちんと音を出す事の大切さを再認識しました。意識し過ぎると変にアクセントがついたり、乱暴になったりするから厄介です。細かく言うと、一旦弦が振動し始めれば、更に弾こうという意識ではなく、その振動を維持する積もりで弾けば、変な中膨らみもできなくなるのです。言うは易く行なうは難しですが。減衰につては、その形で大きく表現が異なってきますので、影響が大きく非常に重要なもので、プロ、アマを問わずとても難しい問題だそうです。弦楽器に限らない話ですが、アウフタクト(小節の第1拍から始まるものを強起、第1拍以外の拍から始まるものを弱起:Auftakt独といいます)を機械的に弾くと、とてもつまらない演奏になります。アウフタクトは丁寧にたっぷりと表現し、次の音は慌てて突っ込まないで、頭の音を改めて弾き直すくらいに意識すると、ぐっと落ち着いた感じになるんですね。毎回2時間のレッスンにおける数え切れない程の演奏技術や音楽表現についてのYH教授の熱心なご指導には、ひたすら感謝するのみです。YH教授はいつも朗らかに優しく懇切丁寧で思いやりたっぷりのお心遣いで、非常に高い内容を分かりやすくご指導していただき、モーツァルト合奏団のメンバーにとって充実した素適なひとときを享受できたことの喜びは筆舌に尽くせません。また、お会いできるときを楽しみにしています。【Home】

{2000/06/07}[分析]存在しない音を聴き取ってしまう事を『幻聴』と言うそうです。平たく言うと『空耳』という言い方もあるかも知れません。動物の鳴き声や物音が言葉に聞こえたり、駄洒落がそれらしく聞こえてくるから不思議です。これは、不完全な音の集まりを頭の中でこう聞こえる筈だと決め付けて音の修復を行なう心理現象がはたらいているそうです。もっと高度な知識に裏付けされたものにアナリーゼ、つまり分析があります。『眼光紙背に徹す』或いは『行間を読む』とでも言いましょうか。作者の深意を読み取るところまで入り込む訳です。それには、その作者の生活環境や性格、嗜好、心理状況や受けた影響を含め多くの背景を必要とする事でしょう。例えば、モーツァルトの曲ならその先がどういう音型になるだろうと予想できる方も沢山いらっしゃるかも知れません。このような音の修復は可能であっても、母を亡くしたモーツァルトがどういう心理で心優しいKV310のイ短調のピアノ・ソナタの旋律を産み出していったかを推し量る事はなかなか難しいものです。本当の所は本人以外誰も解らないかも知れません。だからこそ、十人十色の解釈があっても不思議は無く、面白いのかも知れませんね。【Home】

{2000/05/31}[倍速]最近のオーディオ商品でミニコンポはMD付が主流になってきたようです。MDからMDへのダビングやスケルトンタイプ、液晶が8色に変えられるものなどがあるそうです。中でも売れ筋No.1はKenwxxdのコンポでCDからMDへ倍速ダビングができるのが魅力のようです。忙しい世の中になってきました。ところで、倍速と言えば¢ですよね。アラ ブレーヴェと言えばお分かりの方も多いと思います。元来、ブレヴィス(brevis)〔二全音符〕を3分割する事を完全法と言い円で表し、2分割する事を不完全法と言い半円で表していました。これが模様化されCと書かれるようになりました。つまり、Cは最初は全音符2個分を意味する2分割記号でした。後に2分音符4個分を意味し、何故か4分音符4個分(四分の四)を指すようになったそうです。音部記号の後に¢(Cに縦棒)の拍子記号が付けられている場合は、アラ ブレーヴェ(alla breve)といい、C(四分の四)の2倍の速さで演奏します。ブルッフのヴァイオリン協奏曲の第1楽章がCで、フィナーレが¢ですね。4つ振りと二つ振りという言い方もします。今日は、那須野が原ハーモニーホールのオーケストラ養成講座の練習を今やってきた所です。ブラームスの交響曲第4番の第1楽章、¢の二分の二を敢えて四つ振りでゆっくりとおさらいしましたが、3連符でパニックになってしまいました。そういう経験をされた事はありませんか?【Home】

{2000/05/24}[アコード]音楽に関連のある言葉を車のネーミングによく使うH社にアコードという車があります。Accord(Accordo伊)またはChordとは元々『心』あるいは『琴線』を意味から発した『和音』のことをいいます。単音と異なり、音を重ねることによりにより音の厚みと響きが生まれます。長和音による協和音は明るく、短和音による不協和音は暗い響きを表現できます。鍵盤楽器やギターと異なり、現代のヴァイオリン属は持続する3つ以上の音を同時に出すのは困難です。合奏では、高音側を客席に近いOutが、低音側を客席から遠いInが分担するDivisi(ディヴィジ)という方法もあります。しかし、場合によってはDivisiで同時にだすよりもハープの語源からきているアルペジオ(分散和音)の奏法がふさわしいところもあります。それでも分散が目立たないくらいに弾いた方が心地よい場合もあります。それを弦楽器で実現する方法をYH教授からワンポイント・アドヴァイスして頂きました。先ず、低い音を出す構えをして弓を弦に当てます。次に弓を引かずに高い音を出す構えに移す(移弦する)と同時に高い音だけを弾くように弓を動かします。すると、移弦するときに低い音も鳴るのです。移弦のスピードも色々お試し下さい。Touch the right chord !【Home】

{2000/05/17}[どちらのブラームスがお好き?]1985年と1997年に録音された同一レーベル(RCA)のCDで、同一ホール(ムジークハレ,ハンブルク)で、同一指揮者(ギュンター・ヴァント)で、同一楽団(北ドイツ放送交響楽団)で、同一作曲者(ブラームス)で、同一曲(交響曲第4番)を聴いてみて、そのテンポの違いに驚きました。12年でこうも変わるのかという気がしました。録音時間を確認しました所、第1楽章と第2楽章が夫々約1分程長くなっていました。いかにもブラームスらしいこの2つの楽章は弾けば弾くほど歌いたくなるのでしょうか?それとも加齢と共におおらかな演奏を好む傾向が人にはあるのでしょうか?確かに、巨匠と呼ばれる方の晩年の演奏はゆったりとする傾向があります。でも、第3楽章と第4楽章には余りテンポの差が見られない所を見ますと単純なものではないかも知れません。ヴァントさんも米寿を迎えられても、かくしゃくとしてらっしゃいます。私は前者の早めのテンポで、さり気なく流れるようで、バロック時代の郷愁や古い教会音階を感じさせてくれる演奏の方が好きです。みなさんはどちらのブラームスがお好きでしょうか?【Home】

{2000/05/10}[作品に番号を付けたがる科学者達]一般に、作曲された作品には作品番号いわゆるOpus 番号(op.と略す事もある)が付けられます。但し、作曲年よりも出版年で発番されているものが多いのです。初めてOpus 番号が使われた作曲者はAdriano Banchieri(1567〜1634)と言われています。バッハは自分の作品には決して番号を付けませんでした。ハイドン、モーツアルトには首尾一貫しないでたらめな作品番号が出版者により付けられ、殆ど実用に耐えませんでした。そこで、法律学の学位を得たあと、鉱物学・植物学の科学者となったルートヴィヒ・リッター・フォン・ケッヘル(1800〜1877)が1862年に『W.A.Mozartの全作品年代順主題目録』を発刊し、ケッヘル番号(通常K. あるいはKVと略して使われる)が付けられています。勿論遺作である『レクイエム』がKV626で最後の番号となります。更に、消失したものや未完のもの、編曲作品や疑わしい作品、偽作にもKV Anh.294までの番号が付けられています。その後モーツァルトの研究が進み、20世紀に入り、ケッヘルの目録の改定が数回行なわれました。その中でも第3版で初めて2重番号制を取り入れたのがあの天才科学者アルフレート・アインシュタイン(1880〜1952)です。『キラキラ星変奏曲』でもKV265(300e)という形で二つの番号を併記する事になりました。ピアノを習った方でしたら多くの方が弾いたことがあると思われます『初心者のためのやさしいソナタ』第15番ハ長調というよりもKV545のソナタと言った方が通りがいいのです。さて、『トルコ行進曲』は何番でしょう?マニアックなあなたはケッヘル番号で何曲言えますか?【Home】

{2000/05/03}[キラキラ星に寄せる恋心]Twinkle Twinkle Little Starでお馴染みの『きらきら星』は、童謡ではなくて恋のシャンソンだったそうです。お母さんに打ち明ける娘の恋心を歌ったものらしいのです。1778年頃のパリで変奏曲のテーマとして流行していたようです。モーツァルトが残した『キラキラ星変奏曲』は《ああ、ママに言うわ》による12の変奏曲KV265(300e)というタイトルで多くの人に親しまれています。第1変奏は右手第2変奏は左手の16分音符、第3は右手第4は左手の3連符という具合に演奏を楽しみながら気付かないうちにテクニックのトレーニングができる所が凄いですね。第8変奏の短調や第11変奏の緩徐部分、最終変奏では拍子を4分の3に変えるなどの変化も伴っています。モーツァルトのピアノ曲は左手が比較的に楽なものが多い中、この『キラキラ星変奏曲』は左手が充実した特異な存在なのかも知れませんね。モーツァルトはピアノの為の独立した変奏曲を15曲残しています。【モーツァルトピアノ曲一覧表】ハイドンの5曲程度と比べると多い事が分かります。変奏曲には3つの種類があるそうです。殆ど原曲に手を入れず飾りを変化させる装飾的変奏曲、対旋律のように対位法的な扱いを加えた修飾的変奏曲、19世紀に盛んになったもので主題の輪郭や部分的な特徴は残す程度で曲想・和声・調性・リズム等を大きく変化させていく性格変奏曲です。あなたはどのタイプがお好みでしょうか?【Home】

{2000/04/26}[都合により1回休み]【Home】

{2000/04/19}[二分の二とキザミと親知らず]YH教授によるご指導を2ヶ月ぶりに受けました。先ず、二分の二拍子の演奏法です。勿論、二分音符を一拍に感じられるように弾くことが二分の二拍子のポイントになります。裏を返せば、裏拍が分かり易いと四分の四拍子に聞こえてくるのです。裏拍が弱ければいいというものでもなく、曖昧でいいというものでも無いので、難しいものです。次にキザミの合わせ方です。最初は刻まずに伸ばして音程とバランス確かめ、音の変化のみを行います。そのイメージを維持しながら刻んでみると思いのほか美しいキザミの合わせが出来上がります。一度お試し下さい。キザミを思い浮かべたら先程抜いたばかりの親知らずが疼き出しました。モーツァルトのピアノソナタでも聴いて気を紛らしてみます。〔二周年記念:4665名のご来場有り難うございます〕【Home】

{2000/04/12}[お引越し]年度の変わり目といえば多いのがお引っ越しですね。今日、お引越しのお手伝いをして、足腰がガタガタになって情けない状態となってしまいました。特に、重量物を抱えたものですから、楽器を弾いてみようとすると、弓を持つ手が震えるし、弦を押さえる指に力が入らない始末です。ところで、人生の3分の1を旅行していたモーツァルトにとって、旅行するにも大掛かりでまるで引越しの連続のようなものだったのでしょう。モーツァルトは201の街に滞在し、約700人もの人に出会ったと言われています。こうしてみれば、如何に多くのエネルギーを旅行に費やしながらも、あれだけの傑作作品を短い人生の中で創り続けたかということを考えても、モーツァルトの天才ぶりが改めて窺い知ることとなります。しかも、限られた時間を有効に使う為に、揺られる馬車の中で、板に書いた鍵盤を弾く格好だけの模擬的な練習を行っていたといいますから実はモーツァルトの努力には、エジソンもびっくりしたかも知れませんね。【Home】

{2000/04/05}[女流作曲家]18世紀のヨーロッパで200人もの女流作曲者がいたそうです。モーツァルトより3才下のマリアンネ・マルティネスはその中の一人で、生涯ウィーンで暮らし、彼女のことをかの有名なマルティーニ神父は『ディレッタント』(アマチュア)であるにもかかわらず、偉大な『マエストラーニャ』(マエストロの女性名詞)という称号で呼ぶにふさわしいと絶賛したといいます。モーツァルトのピアノ協奏曲ニ長調KV175は彼女の為に創られたという説もあるそうです。また、『四手のためのピアノソナタ』KV497やKV521は二人が土曜日毎に開かれた彼女主催の音楽サロンで共演したそうです。モーツァルトも姉ナンネルを思い出していたことでしょう。他の女流作曲家としては、皆さんご存知のファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼル(メンデルスゾーンの姉)、クララ・ヴィーク=シューマン(シューマンの妻)、アルマ・シントラー=マーラー(マーラーの妻)等が有名ですね。日本では、幸田延、松島つね、金井喜久子、吉田隆子、外山道子、渡鏡子等が作曲のみならず反戦と女性開放や音楽教育や伝統芸能との融合にも心血を注いだことで知られています。沖縄出身の金井喜久子の『第一交響曲』の幻のレコードといわれる日比谷公会堂での自身の指揮による初演の音源が60年ぶりに発見され、ようやく修復が済み、この夏にも復刻CDが発売されるということで話題となっています。学校の音楽室にそのうち女性の作曲者の絵が飾られるかも知れませんね。【Home】

{2000/03/29}[音楽に関する法律]音楽に関する法律があるのをご存知ですか?『音楽文化の振興のための学習環境の整備等に関する法律』というちょっと長い名前の法律で、平成6年11月25日法律107号というものです。我が国の音楽文化の振興を図り、もって世界文化の進歩及び国際平和に寄与することを目的としています。地方公共団体は、音楽の演奏及び鑑賞に係る行事の主催や音楽に係る社会教育のための講座の開設、学習環境の整備等を行なうものだそうです。学校の施設を音楽学習のための住民の利用に供することや音楽学習に関する情報を収集し、整理し、提供することなども掲げられています。明るく豊かな国民生活の形成並びに国際相互理解及び国際文化交流の促進に大きく期待されている音楽文化とは一体何なのでしょうか?音楽文化がこの様な決まりや仕組みに支えられて発展して行く事は、とても有り難い事ですね。でも、忘れてならない大切なことは、音楽文化を育てる心だと思います。ところで、あなたの町ではどんな施策がありますか?それを十分活用できていますか?【Home】

{2000/03/22}[天才の悩み]春分の日に上京した折、日比谷みゆき座で『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』という映画を鑑賞しました。オリジナル・タイトルは“HILARY and JACKIE” A TRUE STORY. というものです。イギリスが生んだ天才女流チェリストとフルーティストを諦めた姉の生涯を赤裸々に綴ったものです。5才の誕生日に4分の3サイズのチェロを買ってもらってから、英才教育が始まったそうです。13才でエルガーのチェロ協奏曲を与えたときに1日半で1楽章を暗譜して申し分なく弾いたといいますから、その天才振りは傑出していたのでしょう。20才のときには「カザルス、ロストロポーヴィッチに比すべき演奏家」と賞賛されたそうです。映画の中では、エルガーやドヴォルザークのチェロ協奏曲を始め、ハイドンやベートヴェンのピアノ・トリオ、ヘンデルやブラームスのチェロソナタ、バッハの無伴奏チェロ組曲などが絶え間なく流れていました。映画では使われていませんでしたが、彼女のハイドン、ボッケリーニ、シューマン、サン=サーンスのチェロ協奏曲も、のびのびと豊かな演奏でとても魅力的です。1973年春に初来日したときは、全く彼女の演奏を耳にすることはできなかったそうです。この28才という若さで指の感覚がなくなり、音も聞こえなくなる多発性硬化症のため、演奏活動を断念しなくてはならなくなり、僅か42年の短い生涯を終えることになった彼女には、普通の人の生活や一人の女性としての生活に憧れる、天才が故の悩みも計り知れないものがあったようです。『海の上のピアニスト』の主人公が死守した閉ざされた世界と88の鍵盤が織り成す無限の広がりとは異なっていたようです。デュ・プレの伝記的なこの映画に対する賛否両論が話題になっていますが、それは受け留める側の問題かもしれませんね。【Home】

{2000/03/15}[エキストラ]3月12日(日)14:00から那須野が原ハーモニーホール・オーケストラ養成講座の演奏会が催されました。演奏曲目は、ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調、(アンコール)アンダーソン:トランペット吹きの子守り歌、ベートヴェン:交響曲第7番 イ長調作品92です。指揮者はアントニン・キューネルさん、トランペット独奏は牛腸(ゴチョウ)和彦さんです。牛腸さんは新進音楽家演奏会第4回コンセール・マロニエ21金管部門最優秀賞を昨年受賞された方です。オーケストラは18名のエキストラを含め56名です。フルート、オーボエ、トロンボーン、チューバを除く各パートにエキストラが入りました。なかなか自前のメンバーだけの演奏会を実現する事は、地方のアマチュア・オーケストラにとって難しいですね。本来ですと、普段の練習で技術や音楽性を磨く過程が重要だと思いますが、現実には人数が揃わなかったり、或るパートが欠けたりしてアンバランスのまま練習に臨まなければならないことのほうが多いのです。然も、強力な助っ人としてのエキストラが本番ではたす効果は、非常に大きなものがあります。聴衆の方にできるだけ質の高い音楽を聴いて頂くことを考慮しますと致し方ないという考え方もあるかもしれません。本当の意味での自立を目指し努力をしていかなければならないと思いました。【Home】

{2000/03/08}[ノーマライゼーション]ある方が足を痛め、歩行補助具を使ってあるホールの舞台裏を移動されるとき、楽屋からの通路の階段で、大変苦労されていました。また、若い母親が所謂『公園デビュー』ができずに悩み、そのお子さんにお友達ができないで困っているという話もあるようです。日本では30万人いるといわれる聴覚障害者の一人が、薬剤師国家試験に合格しても、免許を貰えなかったことが報道されていました。日本ではまだ認知されていない聴導犬は、米では日本の100倍の2000頭もいるそうです。栃木県において、喜連川温泉にある授産施設『ハートピア喜連川』では、積極的な取り組みで、社会参加による貢献が評価されているそうです。日曜9時のTVドラマBeautiful Lifeでは、キムタク扮するカリスマ美容師と歩行障害者との恋が描かれています。高齢者・障害者もそうでない人も、すべて人間として普通の生活を送るため、共に暮らし、共に生きる社会こそ正常な社会であるという考え方を『ノーマライゼーション』というそうです。これには病気や怪我や出産などにより、一時的に苦労を強いられる方も当然入るのでしょう。音楽活動をやっていらっしゃる方の中にも、心身的に色んな障害を克服しながら活躍されている方がいます。1993年「障害者基本法」の公布から6年、1999年8月9日に『欠格条項見直し』による64制度の見直しなどが、2002年を目標に推進されているそうです。物理的・意識的・制度的・情報的なバリアなどを一つ一つ取り除き、心安らかで楽しく生き甲斐のある生活を全ての人か享受できるように、皆で知恵を出し合って、どんな細かいことからでも良いからやっていく事が大切ですね。【Home】

{2000/03/01}[訴えるもの]アマチュア・オーケストラの中でも人の入れ替わりが顕著で、継続的な活動をしているのが学生オーケストラでしょう。その中でもカラヤンコンクール優勝以来世界的に高い評価を受けているのが早稲田大学交響楽団(通称『ワセオケ』)だそうです。去る2月14日から通算9度目の海外演奏旅行となる「2000年ドイツ演奏旅行」を行なっており、3月1日帰国だそうです。今回は、ドイツに日本の文化を総合的に紹介する行事である『ドイツにおける日本年』への参加を外務省より誘われたものの一つだそうです。指揮者に大町陽一郎氏を迎え、ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲、ヘンデル:ハープ協奏曲変ロ短調、ヤナーチェク:「シンフォニエッタ」、プロコフィエフ:バレエ「ロメオとジュリエット」組曲、三枝成彰:「太鼓について」<太鼓協奏曲>9都市で9公演を行なったそうです。特に能や和太鼓を取り入れた三枝氏の書き下ろしは現地の人に興味をひかれたようです。インテンダントの田中雅彦氏はTVインタビューでこう応えられていました。『現地とのコミュニケーションは演奏を通じてびっくりするほど良くとれる。これは子供たち(学生)が持つ純粋さ、ひたむきさに何か訴えるものがきっとあると思う。』2000年3月20日(月・祝)17:00からサントリーホール・大ホールで第166回定期演奏会も予定されているそうです。曲は「リエンツィ」「ロンドン」「ザ・グレイト」です。是非聴きに行って『訴えるもの』に触れてみましょう。【Home】

{2000/02/23}[ラ・フォリア]“La follia”(狂気の意)と言えば、元来ポルトガル起源のサラバンド風のゆったりとした舞曲で、17世紀初めのフレスコバルディ(Girolamo Frescobaldi:1583〜1643)から18世紀フィリップ・エマニュエル・バッハ(Philipp Emanuel Bach:1714〜1788)まで、同じ主題による変奏曲は数えきれないほど多いそうです。その中でも特に、コレッリ(Arcangelo Corelli:1653〜1713)のヴァイオリン・ソナタ第12番二短調Op.5−12の16小節からなる主題とその23の変奏曲が有名です。独奏ヴァイオリンと通奏低音のために書かれたものです。チェンバロにチェロ(またはヴィオラ・ダ・ガンバ)が重ねられます。しかし、伴奏部にもできるだけ生命を与えようとして、ヴァイオリンと同一パターンで呼応するところも聴きどころの一つでしょう。勿論、各変奏曲がヴァイオリンの運弓技法を尽くしていることからも鑑賞だけでなく練習曲としても優れています。ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi:1678〜1741)のRV63も彼らしい味わいが出ています。また、イギリスにイタリア音楽を広めた優れたヴァイオリニストでもあるジェミニアーニ(Francesco Geminiani:1687〜1762)は師匠のコレッリのヴァイオリン・ソナタ集作品5による12の合奏協奏曲集として響き豊かなものに創りあげています。SUZUKI METHODをおやりになった方は、第6巻の最初に鈴木先生のアレンジによる14曲の変奏曲を思い浮かべられる方も多いことでしょう。あなたもこのテーマによるオリジナルの変奏曲を創ってみては如何でしょうか?{2000/05/04}追記:タルティーニ(Giuseppe Tartini)「コレッリの主題による変奏曲」、ラフマニノフ作曲の「コレッリの主題による変奏曲」Op.42も参照してみて下さい。【Home】

{2000/02/16}[合奏協奏曲]クルト・ザックスによって提唱されましたバロック音楽の語源は、イタリア語で『歪んだ』とか『大袈裟な』という意味だそうです。美術界で表現のために形式を無視して劇的に大袈裟に描かれた言わば『バロック美術』を音楽史に適用したものだそうです。調和や均整を重んじたルネッサンスとは逆行して、不揃いの林檎ならぬ個性の主張が芽生えてきたのかもしれません。声楽中心のルネッサンスに比べ、ソナタやコンチェルトのように器楽が主役を演じ歌うようになったことも大きな特色でしょう。クレモナを中心にストラディヴァリ、アマティ、グァルネリらによるヴァイオリン製作技術の発展と演奏技術の飛躍的な進歩が相俟って、合唱に取って代わり器楽が音楽の中心となり、ヴァイオリンがオーケストラの中心となってきたのです。ポリフォニーの中にホモフォニーを含む多彩なあり方の中で、即興性を重んじ聴衆の状況に応じて旋律や表情を自在に変化させ、低声部を基礎に創意を加えた和声を付ける通奏低音(バッソ・コンティニュオ)の技法が重視されました。イタリアのローマで生まれたコレッリ(Arcangelo Corelli:1653〜1713)はコンチェルトの前身でもある合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)を確立し、重音奏法を開拓したヴァイオリン音楽の分野では忘れてはならない代表的な作曲者です。Op.6−8『クリスマス・コンチェルト』に代表される教会の儀式に演奏される教会コンチェルトに対し、アルマンドやサラバンドなどの舞踏組曲による室内コンチェルトは宮殿や邸宅での食事や祝宴で楽しまれました。合奏協奏曲は二つのヴァイオリンと通奏低音によるトリオソナタで構成されるコンチェルティーノが主導権を握り演奏を続け、それに要所をリピエーノ役の合奏が彩りを添えるものです。合奏協奏曲といえばコレッリの他にヘンデル、D.スカルラッティ(息子)、トレッリ、ロカテッリ、マンフレディーニ、ジェミニアーニなどの作品も挙げられますが、ヴィヴァルディの『調和の霊感』も代表的なものの一つです。【Home】

{2000/02/09}[余韻]モーツァルト合奏団第2回定期演奏会が無事破綻なく終了しました。当日はH教授(GTO教授の奥方)にリハーサルから本番までみて頂きました。リハーサルでは本当にドタバタありまして、本番旨く行くかどうかひやひやものでした。スリル満点!おかげで、ゲネプロ終了時点でメンバーはぐったり。本番での集中力は残っているのかなと思うくらいでした。そのリハーサルでアマチュアの弱点の一つをH教授に見事に衝かれました。曲の終り方が余りにも雑であることです。丁寧に終わることは勿論、弾き終わっても余韻が残っている間は、演奏は続いていると考えなければならないということになります。そこまで緊張感を持続するのとしないのでは、大きく違うのが手に取るように実感できました。きっと曲の終りだけでなく、フレーズの締めくくり方も同じ話があるのでしょう。余韻を楽しめるゆとりが持てるようにならなくてはいけませんね。ところで、栃木県北のちっぽけな町にしては、331名の入場者があり、ご来場の方が思いの外多くてとても嬉しかったのです。特に、メインのグリーグの『ホルベアの時代から』はお客さんの演奏に対する集中力も感じられ舞台との一体感までも感じられるとても満足の行く演奏会ができて幸せでした。これだから、演奏会はやめられませんね。弾き終わりと同様に打ち上げでも余韻を楽しんできました。【Home】

{2000/02/02}[特別な日]今年はY2K問題で辛い年越しになった方も大勢いらっしゃったことでしょう。でも未だ、400年に1度の特別な閏年対応も月末に控えてますし、いまだに不当な自動引き落としをされたと言う話も出ているようです。どこかの危機管理プロジェクトは解散してしまったようですが、未だ実務で泣いている人もいるかも知れませんね。そんなあなたにちょっとだけほっとする情報です。今日は1112年ぶりに全ての数字が偶数になる特別な日なのです。では、前回の全て偶数だった日はいつだったでしょうか?ところで、2月6日(日)は私にとって特別な日になります。14:00から那須野が原ハーモニーホールの大ホールでモーツァルト合奏団の第2回定期演奏会を予定しています。演奏曲目は、バッハ:ゴールドベルク変奏曲より(アリア、第19,21,22変奏曲)、パッヘルベル:カノンとジーグ ニ長調、ヴィヴァルディ:「調和の霊感」よりイ短調Op.3−8、モーツァルト:ディヴェルティメント: ハ長調KV157(原曲はミラノ四重奏曲第3番)、グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」ト長調Op.40です。バッハ・イヤーと言う事もあってバッハで始まりアンコールもG線上のアリアを予定しています。拍手が無くても演奏するかも知れません。お誘い合わせのうえ、午後のひとときを弦楽合奏でお楽しみ頂けたらと思います。入場は無料です。あなたにとって思い出に残る特別な日にできるといいのですが…。【Home】

{2000/01/26}[未就学児のためのコンサート]1月23日(日)に西那須野町の町民ホールで町内保育園の園児と保護者の方達のための小さな音楽会を催しました。編成はピアノトリオです。大人も子供も楽しめて、心に残るプログラムを色々考えたんですが、矢張りサンドイッチ構造に行き付きました。つまり、クラシックばかりを続けずに、間に子供の好きな音楽を挟むことにしたのです。プログラムは、モーツァルト:ピアノトリオ、楽器紹介(バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりメヌエット、ベートーヴェン:エリーゼのために、モンティ:チャルダーシュ)、ディズニー・メドレー、ハイドン:セレナーデ、ランゲ:花の歌、皆で歌おう(保育園で歌っている歌)、マリー:金婚式、エルガー:愛の挨拶でした。未就学のお子さんは、一般的にはクラシックのコンサートの鑑賞ができません。感受性の高い重要な時期に、生のクラシックの演奏に触れることはとても意義深いと思います。また、保護者の方も小さいお子さんの音楽やマナーの教育面でも貴重な機会でもあるのではないかと思います。そういう意味でもこのような催しを企画して頂いた保育園の先生方や保護者会の皆さんに敬意を払いたいと思います。曲と曲の間の短いお話や歌にも大きな反応があり、舞台と客席の一体感が感じられ、とても素適な一時が持てて幸せでした。未就学児にもクラシックの演奏会が楽しめる機会がもっと増えるといいですね。【Home】

{2000/01/19}[則天去私]元旦のある新聞にドイツの詩人シラーの言葉が掲載されていました。『未来はためらいつつ近づき、現在は矢のようにはやく飛び去り、過去は永久に静かに立っている。』というものです。時は均一に過ぎ去っているのに、人の感覚で長くも短くも感じてしまいます。忙しいからと言って充実している訳でもありません。漱石の最晩年の心境のように『則天去私』つまり、小主観を挟まない無私の芸術を実現できるような客観視ができると、時の流れを超越できるものなのでしょうか?漱石の『草枕』をバイブルのように大切にしていたグレン・グールドは孤独な独自の世界で生き抜いた人ですが、彼の心境はどうだったのでしょうか?時間芸術でもある音楽にとって、時を忘れることって不思議ですね。【Home】

{2000/01/12}[音のお年玉]新たなミレニアムの最初のGTO教授のレッスンを早速受けることができました。MozartのKV157(ミラノ四重奏の第3曲)を見て頂いている時です。第2楽章で『16分音符にもヴィヴラートをかけましょう。』と言われたのです。『そんな無茶な!』『音の動きにヴィヴラートがついていけない。』不思議に思っていると、GTO教授が『このように全体にかけるんですよ。』と実演してみせて下さいました。その瞬間、みんな『あっ!』と呆気に取られてしまいました。『ヴィヴラートをかけないとこうなるんですよ。』と弾いて下さって更にみんな『うっ!』と絶句してしまいました。それでチャレンジしてみるのですが、これがまた難しいのです。へたにやると音程がメロメロで情けなくなってしまいます。ところで皆さん、KV157は3つの楽章とも126小節で構成されているってご存知でしたか?但し、第2楽章は8小節のCoda、第3楽章は10小節のCodaがついています。然も第3楽章は、A−B−A−C−A−B−Aのまともなロンド・ソナタ形式が既に導入されていることにも注目に値すると思います。そういう意味でも貴重で特異な曲なのかもしれません。親しみ深いシンプルなメロディに鳥のさえずりもちりばめられウキウキしてくる愛らしいディヴェルティメントですね。GTO教授がもう一言『こう弾けば鳥のさえずりに聞こえるでしょう。』本当に鳥のさえずりに聞こえてくるのです。みんな口をアングリというお年玉いっぱいの幕開けでした。あなたにとって価値あるお年玉は何でしたか?【Home】

{2000/01/05}[イベント]音楽イベントを行なうには、色んな準備が必要になります。テーマ、スポンサー確保、選曲、楽譜手配、練習計画、指導者依頼、練習会場、メンバー確保、エキストラ依頼、後援依頼、チケット、チラシ、ポスター、プログラム、広告取り、印刷依頼、ポスター貼り、チケット販売、マスコミ投稿、看板、招待状、控室・更衣室・リハーサル室、ステージ進行表、ステージ・レイアウト、ホールとの打ち合わせ、スタッフ依頼、大物楽器運搬、舞台セッティング、ケータリング、録音、撮影、受付、ドア・マン、カゲ・アナ、駐車場、花束、弁当、打ち上げ準備、会計等々イベント運営に関する事柄が盛り沢山です。然も全ての情報をタイムリーにメンバー全員に周知しなければなりますん。一つ一つに深い中身を持っていて、こなすのが大変です。時には練習時間が惜しくなるほど手間の掛かるものもあります。或いは、演奏会当日は、演奏だけに集中したいと思えることもあります。専任のスタッフを持たないアマチュア・オーケストラでは全て演奏者が自前でやることになります。イベントを催すことは、実はとっても大変なんです。でも、面白いんです。【Home】